ライカ共同開発のクアッドカメラを搭載した、Xiaomiのフラッグシップスマホ「Xiaomi 14 Ultra」のファーストインプレッションと簡易レビューをご紹介していきます。その撮影性能の高さと、カメラさながらの撮影体験を実現するフォトグラフィーキットの使い勝手の良さから、昨今のガジェット界隈を騒がせている一台。筆者もどうしても使ってみたく、この度購入してみました。
Xiaomi 14 Ultraとは
Xiaomi 14シリーズの最上位モデルに当たるのが「Xiaomi 14 Ultra」です。無印の「Xiaomi 14」、上位モデルの「Xiaomi 14 Pro」は2023年11月に中国にて発売されていましたが、本機は2024年2月にやや遅れる形で登場。中国版が発表されたのち、無印とともにグローバル版も投入されました。カラー展開は中国・グローバル共通でブラック・ホワイト、中国版のみセラミックを採用した限定のブルーが存在します。
Xiaomiと言えばドイツの老舗カメラメーカー「Leica(ライカ)」と協業開発したカメラが有名ですが、本機もしっかりと4眼で搭載。見た目は先代「Xiaomi 13 Ultra」とほぼ同じではあるものの、細部には以下のような細かい変更が施されています。
- 背面デザインの変更
→カメラ部に向かう盛り上がりが無くなりフラットに - 若干の軽量化(数グラム程度)
- 現行SoCである「Snapdragon 8 gen 3」搭載
- 広角カメラ・ペリスコープ望遠カメラのF値の低下
→取り込める光の量が増え、より明るい写真が撮れるように(夜間撮影も強化) - 超高速ワイヤレス充電に対応(80W)
- 専用カメラキットが進化
→動画ボタン搭載、Type-Cによる接続、バッテリー内蔵、カスタマイズ式ダイヤルetc…
ただでさえ強かったカメラ性能がさらに強化されたところが、13 Ultra→14 Ultraの注目ポイントと言えるでしょう。専用カメラキットで出来ることが増えている点からも、本機がいかにカメラに注力した機種であるかがうかがえます。
Xiaomi 14 Ultra のパッケージ・付属品
パッケージ外観がこちら。ライカコラボを表す赤いロゴマークが目を引きます。今回はグローバル版ホワイトを購入しました。後述しますが本機のグローバル版は日本の技術基準適合認定(通称「技適」)を受けているため、国内でも問題なく使用が可能です。
上蓋を開封すると、まずはアクセサリー一式の入った箱がお出迎え。
内容物がこちら。説明書類・SIMピン・専用クリア保護ケースの3種類です。Xiaomi製品は付属品が充実しているのも嬉しいところ。裸運用に抵抗のある方も、付属ケースがあればすぐに使い始めることができます。
保護ケースはありがちなTPU素材ながら品質は高く、ほどよい厚みと硬さでしっかり保護してくれそう。カメラ部のでっぱりもカバーしていますし、縁にはカメラのすべり止めを模したギザギザも施されています。
一方、側面全体を保護するタイプのケースではないため、その点は注意が必要です。端末下部と、ボタン類を備える右側面部には切り欠きが空いています。
充電用の90WアダプタとType-A to Cケーブルも同梱。昨今は本体と説明書しか入っていないような省エネ製品も多い一方で、Xiaomi製品の充実ぶりには驚かされます。
ただし、グローバル版Xiaomi 14 Ultraに付属するアダプタは、香港などで使われるBFタイプ。端子の形状が異なるため、日本では使うことができません。アダプタだけは別途用意する必要があります。
Xiaomi 14 Ultra の本体外観をチェック
Xiaomi 14 Ultra(ホワイト)の本体外観がこちら。非常に上品な見た目で、フラッグシップならではの高級感をひしひしと感じます。背面は先代よりも高い抗菌・防汚機能などを備えたヴィーガンレザーで、適度なグリップ感を実現。サイドフレームはアルミ製で、安っぽさは全く感じさせません。
本機最大の売りであるカメラ部。ライカ監修カメラの4眼構成となっています。各カメラのスペックは以下の通り。
Xiaomi 14 Ultra | Xiaomi 13 Ultra | |
---|---|---|
広角カメラ | 5000万画素 SONY LYT-900(1型) f/1.63-f/4.0(可変絞り) | 5000万画素 SONY IMX 989(1型) f/1.9 – f/4.0(2段階絞り) |
望遠カメラ (3.2倍ズーム) | 5000万画素 SONY IMX858(1/2.51型) f/1.8 | 5000万画素 SONY IMX858(1/2.51型) f/1.8 |
ペリスコープ望遠カメラ (5倍ズーム) | 5000万画素 SONY IMX858(1/2.51型) f/2.5 | 5000万画素 SONY IMX858(1/2.51型) f/3.0 |
超広角カメラ | 5000万画素 SONY IMX858(1/2.51型) f/1.8 | 5000万画素 SONY IMX858(1/2.51型) f/1.8 |
先代Xiaomi 13 Ultraから、メインカメラとペリスコープ望遠カメラ2つが強化されました。特にメインカメラのイメージセンサー「LYT-900」は今年1月に登場したばかりで、本機を除くと現状「OPPO Find X7」にしか搭載されていない最新のもの。今までスマホカメラの1型センサーと言えばIMX989が主流でしたが、LYT-900はそれよりも高機能になっていることはもちろん、省電力化も実現しています。
音量ボタン・電源ボタンは本体右側面に集約されています。電源ボタンは下に配置。
本体左側面には何も付いていません。
本体下部。Type-Cポート・SIMスロット・スピーカーがあります。スピーカーはステレオで、本体上部にもう一つ配置されています。
Type-Cポートの周りに丸い枠のようなものがついていますが、私が個人的に保護シールを付けただけであり、本来は何も付いていません。
Xiaomi 14 Ultra フォトグラフィーキットの内容物を確認
Xiaomi 14 Ultra には、撮影体験を劇的に向上させる「フォトグラフィーキット」なるものが用意されています。通常は別売りですが、今回は本体と一緒に手に入れられたのでこちらもご紹介していきます。カラーはブラック・ホワイトの2種類があり、購入したのはブラックです。
フォトグラフィーキットは大きな化粧箱に入っていますが、内容物はこちらの通り。
- 専用保護ケース
- バッテリー内蔵カメラグリップ
- カメラ部装飾リング(シルバー・オレンジ)
※シルバーのリングは装着していたため写真には入っていません。 - 直径67mmフィルター装着用アダプタ
- 化粧箱小
小さい化粧箱の中には、カメラグリップ全般の使い方・フィルターアダプターの使い方を記した説明書のほか、Xiaomi純正のリストストラップも付いていました。
ストラップ金属部にはしっかり「Xiaomi」の文字。おまけではあるものの質感は上々です。
カメラ部装飾リングを取り付けたところ。シルバーは本体カラーとも合っており落ち着いていて良い感じ。アクセント的な色味が欲しければオレンジを付けてもいいですね。ビビッドでかっこいいです。
フィルターアダプターにはねじが切られているため、直径67mmのレンズフィルターを装着することができます。ソフトウェアで用意されたフィルターではなく、物理的に写真へ効果を付与したい場合等に有効。もちろんプロテクターを付ければレンズ部をしっかり保護することも可能です。もはやスマホではないですね。
専用保護ケース+カメラグリップを本体に装着したところ。カメラ部が大きいこともあり傷をつけないようにと少々気を遣いますが、装着自体は簡単です。グリップ部は本体のType-Cポートに差し込みながら装着したのち、スライド型のスイッチを操作することで固定できます。その風貌はまさしくカメラ。
カメラグリップには、画像向かって左から「ダイヤル」「シャッター」「ズームレバー」「動画撮影ボタン」の4機能が搭載されています。シャッターボタンは半押しによるフォーカスにも対応。ダイヤル部は露出や絞り調整等、任意の機能を割り当てられるカスタマイズ式です。
このグリップがあることで、本体をしっかりと保持できるようになるほか、スマホ画面上での操作を最小限にできるため、非常にスマートな撮影が可能になります。半押しによるピント合わせは一度使うと病みつき。もう普通のスマホ撮影には戻れなくなってしまいます…
カメラグリップ下部の様子。ストラップホールとType-Cポートを備えています。
13 UltraのカメラグリップはBluetoothによる接続で、充電も本単とは別でする必要がありやや煩雑さを感じていました。今回はその問題点をしっかり克服し、グリップのType-Cポートに充電器を差し込むだけで本体と共に充電することができます。個人的にスマホの電池残量が低下するとなぜか焦る性格なので、本体へ給電出来るバッテリ―を搭載した点は◎。出先での撮影が長引いたときなどにも重宝することでしょう。
Xiaomi 14 Ultra グローバル版は技適対応。日本国内での利用OK
先に少し触れていましたが、Xiaomi 14 Ultraのグローバル版ではなんと技適に対応しています。設定アプリから馴染みのある技適マークを確認することが可能。これにより日本国内でも気兼ねなく利用することができますね。
初期設定時の「言語選択」および「地域選択」の項目でも、それぞれデフォルトで日本語の対応を確認。先日Xiaomi Japanの公式X(旧Twitter)にて以下のような投稿が挙げられていたこともあり、国内投入も期待できそうでしょうか。
ライセンスの関係でライカコラボはなくなることと想定されますが、それでもフォトグラフィーキットを使った撮影体験は実に魅力的なので、ぜひ多くの方に使っていただきたいところです。
【作例】Xiaomi 14 Ultra を使って試し撮り
まだまだ使い始めたばかりではありますが、Xiaomi 14 Ultra+フォトグラフィーキットでいくつかサンプルを撮影してみましたので、参考までにご紹介します。
基本的に、シャッターボタン長押しでカメラを起動して、あとはオート任せでの撮影です。サッと取り出してシャッターを切るだけでも、それなりに味のある写真に仕上がっているのではないでしょうか。カメラ素人なのにまるでプロにでもなったかのような錯覚に陥り、非常に楽しい撮影体験を提供してくれます。
なお、Xiaomi 14 Ultra のカメラアプリにはライカならではの2つのモードが用意されており、これを使い分けることでより多彩な表現が可能に。
- Leica バイブラント…明るく暖色系
- Leica オーセンティック…やや暗く寒色系
ほぼ同じ被写体・画角でも、これらのモードを切り替えるとまた違った雰囲気の写真になったりします。以下は2モード比較用のサンプルで、左側が「オーセンティック」、右側が「バイブラント」です。
温かみのある写真が撮れる「バイブラント」が普段使いには扱いやすく感じますが、エモさや味のある一枚に仕上げたい時には「オーセンティック」も活躍しそう。個人的には、周辺減光がかかったようなオーセンティックの雰囲気がとても好みです。
スマホ撮影の楽しさを一味も二味も引き上げてくれる「Xiaomi 14 Ultra」
カメラキットと併せて約20万円と非常に高価な端末である「Xiaomi 14 Ultra」ですが、実際に使ってみてその価格も納得の撮影体験を体感させてもらいました。フォトグラフィーキットの使い心地も抜群によく、常に取り付けてシャッターチャンスを探してしまいそう。ストラップホールにカメラ用のネックストラップを付けて、首からぶらさげてお散歩に出かけたらきっと楽しいことでしょう。
私はカメラ性能でスマホを選ぶ傾向にあるものの、特段カメラに詳しいわけではなく、複雑なマニュアル撮影等を使うことはほぼありません。Xiaomi 14 Ultraは、そんなカメラ初心者の私でも気分が上がる写真をどんどん撮影できる、極めて理想に近いカメラスマホだと感じました。これを機に、Xiaomi 14 Ultraを使いながらカメラ知識を勉強していくのもいいなと思っています。
日本で本機を購入するのであれば、海外スマホの取扱いに長けている「まめこモバイル」さんが第一選択肢と挙げられます。日本語にも完全対応しているのでやり取りも安心、350日の保証も付いています。価格はフォトグラフィーキット付で20万5800円です(2024年4月現在)。
※2024年5月9日追記
本日国内版が発表された関係もあり、まめこモバイルさんでは当該機種の販売を終了しています。Amazonで普通に購入できるようになっていますので、気になっている方はこちらの販路をご活用ください。
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