株式会社リンディ―・ジャパンさまより、PD対応のUSB Type-Cケーブル「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C」の1.5mタイプをご提供いただきました。私は普段「充電ケーブルなんて付属のものがあれば十分」という何のこだわりもない人間なのですが、今回こちらの上等な商品を使ってみてどう感じたのか、使用感を詳しく紹介していきます。
- そもそも「リンディー・ジャパン」とはどんな会社か
- LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」のスペック表
- LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」商品外観・開封チェック
- LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」を使ってみて良かった点
- LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」使ってみて少し気になった点
- 上質・ハイスペックなケーブルが欲しいなら「LINDY Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C」はおすすめの選択肢
そもそも「リンディー・ジャパン」とはどんな会社か
「株式会社リンディー・ジャパン」は、PC周辺機器や通信機材を販売して90年以上の実績を持つドイツの企業「LINDY Electronics」の日本支社です。国内で充電器や充電ケーブルというと「エレコム」や「サンワサプライ」等が有名ですが、世界的に見れば1930年代に創業したLINDY社はかなりの老舗メーカー。長きにわたり多くのユーザーに愛されているブランドです。
取り扱っている主な商品カテゴリとしては以下の通り。
- 各種通信用ケーブル(ネットワーク用LAN等)
- 変換アダプタ
- オーディオ関連機器(コネクタ、セレクタなど)
- USBケーブル
- ネットワーク機器(温湿度センサー、パッチパネル)
- KVMスイッチ(PC切替器)
- 通信回り整備用ツール(圧着ツール、ケーブルテスターなど)
- その他通信系アクセサリ(ポートブロッカー、ケーブルプロテクターなど)
日常生活で身近なスマホ充電用のUSBケーブルはもちろん、デスク回りの整備に用いる「DisplayPortケーブル」や「Thunderbultケーブル」、さらには工場で用いるような各種センサー類等々…実に数千点もの通信関連機器・ケーブルがラインナップされています。法人・個人問わず使える、コンピュータ関連ハードウェアの便利屋さんです。
LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」のスペック表
今回提供いただいた「LINDY Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」の主な仕様は以下の通り。ちなみに製品名の英語は「アントラライン」と読むそうです。
端子形状 | 前端:Type-C オス 後端:Type-C オス |
USB規格 | USB3.2 Gen2x2 |
PD(Power Delivery) | 対応(5A) |
最大供給電力 | 100W |
最大転送速度 | 20Gbps ※USB3.2 Gen2x2をサポートする機器への接続時のみ |
映像出力 | 対応 ※DisplayPort 代替モード(DP Altモード) |
下位互換性 | USB 3.1 / 3.0 / 2.0 / 1.1 |
導体部材料 | 錫メッキ銅 |
遮蔽層 | 銅編組シールド、カバー率85% |
コネクタ部材料 | 金メッキ |
ケーブル長 | 1.5m ※0.5m、1.0mもラインナップあり |
現行のUSB規格は2019年に制定された「USB4」ですが、本ケーブルの「USB3.2 Gen2x2」は2017年制定の一つ前のもの。しかし性能としては全く申し分なく、一般的な充電・データ転送といった使い方であれば「USB3.2 Gen2x2」で不満を感じることはないでしょう。USB PD対応で最大100W出力となっているので、スマートフォンはもちろん、ゲーム機やノートパソコンにもバッチリ使えます。
LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」商品外観・開封チェック
商品は、ジップロック形式のチャックが付いたビニール袋に入っていました。シンプルな外観で好印象です。
パッケージ裏面。国内支社で取り扱っていることが分かるシールが貼ってありますが、海外を中心に展開している企業ということもあり説明文は英語です。
開封したところ。第一印象は「良いケーブルってこんなに太いの…!?」でした。付属品や100均のケーブルくらいしか使ってこなかった私は、これほどまでに太く丈夫そうな商品があることを知り、ただただ驚くばかり。
コネクタ部を拡大したところ。カラバリはブラック一色ですが、コネクタ部分はちょっとおしゃれな配色です。端子保護部は暗めの灰色で、その根元部分にはLINDY社のイメージカラーである赤が差し色で入れてあります。端子部は金メッキを採用したリッチなゴールド。見た目だけでなく、伝送品質と耐久性にも優れると謳います。アシンメトリーなデザインもかっこいいですね。
現在のメインPCである「GPD WIN MAX2」に付属するケーブル(以下純正ケーブル)と並べてみたところ。純正ケーブルは1mです。LINDYのケーブルの方が30cm長いという違いはあるものの、それにしても純正ケーブルに貧弱さを感じずにはいられません。
ケーブルの太さを比較してみました。WIN MAX2純正ケーブルは3mm程度。
対してLINDY社のケーブルは約5mm。わずか2mmの違いではありますが、心線をカバーするシールドが3重としっかりしているからか、数値以上に太さ・硬さを感じます。純正は「へにょっ」とすぐ曲がってしまう感じ。
重量比較です。純正ケーブルは23g、LINDYケーブルは65gでした。今回のLINDYケーブルは1.5mなので、1mで換算すると「65÷1.5≒43g」。中身がしっかり詰まっていることもあり、2倍近い重さがあることが分かります。
WIN MAX2純正アダプタにLINDYケーブルを接続したところ。当然問題なく使えます。純正アダプタは最大100W出力対応のものなので、本ケーブルのスペックをフル活用して充電することができます。今や当たり前になりましたが、やっぱりType-Cケーブルは上下を気にする必要がなく便利ですね。
LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」を使ってみて良かった点
今回提供いただいたケーブルを、PC充電用に1週間ほど普段使いしてみました。純正ケーブルから変えてみて感じたメリットとしては、大きく以下の3点です。
- 全体的に太くがっしりとしていて、使っていて安心感がある
- 純正ケーブルより長い1.5mだから配線に余裕がある
- 金+赤の装飾があしらわれた見た目がかっこよく所有感が満たされる
やっぱり何よりも「良い!」と感じたのは、ちょっとやそっとでは劣化しなさそうなその丈夫さです。太さとしては純正ケーブルと2mmほどしか変わらないにもかかわらず、明らかに高い強度を誇っています。
純正ケーブルは言ってみればふにゃふにゃで、そこまで乱暴に使っていなくても「心線が断線したりして使えなくなる未来もそう遠くないだろうな」と感じてしまうほどでした。写真ではわかりにくいものの、実際コネクタ保護部は変色していますし、端子部にもすでに若干サビのようなものが見られてきています。
LINDYのケーブルは心線のカバーが充実しているからか、十分な硬さで安心感があります。断線しやすいコネクタとケーブルの継ぎ目も、赤いパーツによっておしゃれさを演出しつつしっかりと保護。純正ケーブルで感じたような「壊れそうで不安」という気持ちは現状全くありません。使い方にもよるかと思いますが、個人的には「もう向こう4~5年はこれで良いかも。いやもっといけるかも…?」という印象です。ケーブルがダメになる前に、先に通信規格が変わってそう。
LINDY「Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C(1.5m)」使ってみて少し気になった点
がっしりしていて非常に満足度の高いケーブルであることは間違いありませんが、使っていて「これは?」と感じた点がないわけでもありません。LINDY社商品の購入を検討している方の参考になるよう、気になったポイントについてもご紹介します。
- 純正ケーブルよりも接続がややゆるい(機器による可能性あり)
- 同スペックの他社ケーブルと比べて特別安いわけではない
中でも特に気になったのが「接続のゆるさ」です。メインPCであるGPD WIN MAX2につないだ瞬間に感じたのですが、差したときの「カチッ」という感触がやや弱め。もちろん普通に使っていて外れることはまずないのですが、ぐらぐらとした付け心地であることは確かでした。
GPD WIN MAX2+純正ケーブルで、接続後に左右に振ったり引っ張ったりしてみた動画です。振れ幅は最小限で、引っ張っても抜けることなく本体の方が動いてきます。
GPD WIN MAX2+LINDYケーブルで同じように試してみた様子がこちら。横揺れ具合から、少なからず遊びがあることが感じられるかと思います。引っ張ってみると、ある程度踏ん張りはしたもののポロっと外れてしまいました。
機器による違いもあるかと思いますが、手持ちのスマートフォン(Xiaomi 14 Ultra)でも同様に「ぬるっ」とした差し心地だったので、接続の安定感を重視する方は注意した方がいいかもしれません。
メーカー名 | 仕様 | 価格 |
---|---|---|
LINDY | USB3.2 Gen2x2、1.5m、100W | 3,828円(+送料) |
サンワサプライ | USB3.2 Gen2、1.0m、100W | 2,327円 |
エレコム | USB3.2 Gen2、1.5m、100W | 4,357円 |
Anker | USB3.2 Gen2、0.9m、100W | 2,490円 |
また、LINDY社の製品は全体的に「ハイスペック・ハイクオリティ」なラインナップになっており、金額もそれ相応だと感じました。似たような仕様を持つ他社ケーブルの価格と比較してみましたが、LINDYのケーブルは特別安いわけではないことが分かります。ドイツのメーカーということもあってか少なからず送料も発生するため、価格重視派の人は注意が必要です。
しかし「USB3.2 Gen2x2、1.5m、100W」というスペックは他社と上手く差別化できているうえ、この仕様で考えると割とコスパに優れているので、使用用途にバチッとハマる人はLINDYを選定する価値が十分にあるでしょう。
上質・ハイスペックなケーブルが欲しいなら「LINDY Anthra Line USB 3.2 Gen2x2 Type-C to C」はおすすめの選択肢
お恥ずかしながら、純正品もしくは100均以外のしっかりしたケーブルを使うのはほぼ初めてだった私。今回リンディ―・ジャパンさまからご提供いただいた商品を使ってみて「やっぱりちゃんとした商品は品質が段違いだな…!」と、当たり前のことをしみじみと感じてしまいました。
安心感のあるケーブル、金メッキを施した端子、おしゃれかつ根本の劣化防止を兼ね備えた赤パーツ等…たかがケーブルではありますが、純正から替えてみたことで確かな所有感が得られたのは事実。ケーブルもガジェットなんだなと再認識した次第です。
ケーブルは消耗品で、その寿命は基本的に2年程度と言われています。一見普通に使えているようでも、実は劣化によって充電やデータ転送に時間がかかるようになっていることも十分考えられます。「たまにはいいケーブルを買ってみようかな?」と思い立った際には、ぜひLINDYのケーブルも選択肢に入れてみてください。
今回レビューした商品単体の価格は3,828円。公式HPでも購入できますが、11,000円以上購入しない場合は全国一律880円の送料がかかってしまいます。まとめ買いを想定していなければ、AmazonやQoo10の店舗を活用するのがおすすめ。送料を200~300円程度に抑えることができます。
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