原神も十分遊べる。Type-C接続のコスパ良好スマホコントローラー「GameSir X2s」レビュー

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私は普段、GPD社のUMPC「GPD WIN MAX2(2022)」を使ってゲームをしています。最近はHoYoverseさまの「原神」に再燃しているのですが、1kgを超えるWIN MAX2でプレイし続けるのはやはりちょっと辛い。「もう少し気軽にゲームできたらいいな」との思いから、スマートフォン+コントローラーの運用を検討しました。その中でも「GameSir X2s」が機能面・価格面ともにちょうど良さそうに感じ購入してみたので、使ってみた感想をレビューします。

GameSir X2s(ゲームサー エックスツーエス)とは

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GameSir公式サイトより

そもそも「GameSir(ゲームサー)」は、2010年に設立した中国・香港のゲーム周辺機器メーカーです。スマホやPC、ゲーム機などで使えるゲームパッド(コントローラー)を数多く手掛けており、「GameSir X2s」は2024年3月に発売されたスマホ専用モデル。2022年2月に発売していた「X2 Type-C」の後継に当たります。Type-C端子を搭載しているのであればiOS・Androidどちらでも使用でき、スマートフォンをまるでゲーム機のように使うことができる製品です。

主な仕様は以下の通り。

対応機種Androidスマートフォン
iPhone 15シリーズ
対応サイズ110~168mmまで
※4.3~6.6インチ
接続方法USB Type-C
電力入力端子USB Type-C×1
※パススルー充電対応
製品サイズ177.9×84.36×37.53mm
製品重量171.6g
バッテリーなし
※スマートフォンより給電
イヤホンジャックなし
情報には細心の注意を払っていますが保証はできません。詳細は公式HPをご確認ください。

仕様周りで先代「X2 Type-C」から変更になった点としては、主に以下3点が挙げられます。

  • 対応するスマートフォンサイズが約5mm縮小
  • L2・R2ボタンにトリガー式を採用
  • ジョイスティック部分にホールセンサーを搭載
  • カラーリング

X2sの方がスマホと接触するクッション部分が厚くなったことで、対応サイズが5mmほど小さくなった様子。これにより、ものによっては「X2なら入るけどX2sでは入らない」ということが起きかねないため注意が必要です。

後はスティックの操作性が上がったり、トリガーボタンを搭載してゲーム体験が向上していたり。カラーリングもゲーミングらしからぬおしゃれな薄紫色になっています。任天堂の2DSをインスパイアしているのだとか。

GameSir X2s(ゲームサー エックスツーエス)の販路・価格

GameSir X2sを国内で購入する際の販路については、GameSir公式サイトかAmazonが無難でしょう。GameSirが香港の会社なのでAliExpressのような海外通販サイトでも購入できますが、不慣れな場合は無理に利用する必要はありません。

それぞれの価格は以下の通り。

※2024年6月26日時点

できるだけ安く購入したい方は、時折りセールを開催したりクーポンを配布していたりするAmazonがおすすめです。中古に抵抗がないのであれば、メルカリ等のフリマサイトを使うことでかなり安く手に入れることもできます。当の私も、ほぼ未使用の中古を4,000円弱で手に入れました。個人間取引であることに留意して、自己責任のうえで利用してみてください。

フリマアプリ「メルカリ」にこれから登録する人は、招待コード「QNZBMG」を入力いただくことで、お買い物に使える500円相当のポイントをもれなくもらうことができます。ぜひ活用してみてください。

GameSir X2sの外観・開封チェック

ここから実際に商品を見ていきます。

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パッケージ外観。類似商品と比べても比較的安めに設定されていることもあり、箱は必要最低限といった印象。普通のボール紙です。

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開封し、中身を取り出したところ。内容物は以下の通りで、ケース等の付属はなく至ってシンプルです。

  • GameSir X2s 本体
  • 交換用ジョイスティックカバー×4
  • 説明書類
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ちなみに説明書は多言語に対応しており、日本語でもしっかり説明が記載されています。

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本体を見ていきましょう。私自身これまでスマホ用コントローラーというものを使ったことがなかったのですが、X2sを持ってみて「意外と軽いな」という印象を受けました。軽めのスマートフォンと同じくらいの重量はあるものの、筐体サイズも相まってそこまで重たい感じはしません。マットでさらさらとした感触が心地良いです。

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なお、ジョイスティック部分についている白いパーツは配送時の保護用です。外して使いましょう。

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外したところ。発泡スチロール系なのですぐ取れます。

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前面右側には計7つのボタン・キー類が配置されています。

  • Sボタン
  • ABXYボタン
  • ジョイスティック(押し込み可)
  • ホームボタン
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前面左側がこちら。ボタン配置は以下の通り。

  • Gボタン
  • ジョイスティック(押し込み可)
  • 十字キー
  • スクリーンショットボタン

上部にはL1・L2、R1・R2ボタン。ゲームを遊ぶにあたって欲しいボタン・キーは一通り揃っています。

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L2、R2ボタンはストロークの長いトリガー式。これは先代X2からの変更点です。レースゲームやFPS等をプレイする方には嬉しいポイントではないでしょうか。私はそのようなゲームを遊ばないため、あまり恩恵を感じられていません。

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スマホと接続するためのType-C端子は本体左側に配置されています。本製品はいわゆる有線タイプであり、Bluetoothのような無線タイプと違って入力遅延等が起こりづらいのが特徴です。

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本体背面の様子。前面とは異なり紫メインのカラーリングで、中央には控えめにGameSirのロゴ。全体は完全な板状ではなく、若干ながらも握りやすさを考慮したグリップ形状になっています。

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背面グリップ部分を拡大したところ。凹凸のあるラバー素材となっており、プレイ中の手の滑りを緩和してくれます。PSコントローラーのような持ち手があるタイプのほか製品と比べるとやはり劣りますが、それでも十分に握りやすく操作しやすい形状だと感じます。

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コントローラーを伸ばし、Galaxy Z Fold3 5Gを接続してみるとこのような形になります。折りたたみスマホの大きな画面も相まって、もはやゲーム機にしか見えません。

GameSir X2sを使ってみて良かった点

GameSir X2sを購入してから約1か月、Android版原神プレイ用としてしっかり使ってみました。ハード・ソフトの両面から、本機器の「ここがいい」と感じた点を紹介していきます。

安価ながら申し分ない質感・操作感

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私はこの「GamesSir X2s」で初めてスマホ用コントローラーなるものを使いましたが、握り心地や操作感に特に不満は感じませんでした。プラスチックながらもさらさらとしたマットな手触りは上質ですし、持ち手部分はグリップ形状でしっかりラバーも施されています。この手のコントローラーは数万円するものもザラにありますが、1万円を大幅に下回るこの価格でこの使い勝手は素直にコスパ優秀と言えるでしょう。

接続端子が左側かつ可動式

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今回私は「Galaxy Z Fold3(折りたたみスマホ)を使って大画面でゲームを楽しみたい」と思っていたこともあり、接続端子(Type-C)が左側になっている点は非常にありがたかったです。折りたたみスマホはDSのように上側へ開いたとき、充電端子が左側下部に来るようになっています。スマホコントローラーにありがちな右側端子だと下側に開閉することになるため、見栄えはもちろん画面も見づらくなってしまうのです。この点をしっかり考慮して作られたGameSir X2sはさすがの一言。

また、充電端子部分が可動式になっているのも本機の使いやすいポイントです。動画を見てもらうとわかるかと思いますが、端子部が上下にスイングするようになっているため、非常に接続しやすくなっています。

伸縮してスマホを固定するコントローラーは、端子が固定されていると「片手でコントローラーを伸ばす→縮まないように押さえ続ける→スマホをさし込む」という3手順が必要になり意外と大変。GameSir X2sなら、端子部をスイングさせて先にスマホを接続し、そのあと落ち着いて挟み込めばOK。端子部に無理な力が加わることもなくスマートです。

原神用プロファイル初期搭載ですぐに遊べる

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これは「原神をプレイしよう」と思っていたからこそ感じたメリットではありますが、Android版原神をプレイするためのプロファイル(default solut)が初期登録されているのも◎。Android版原神はまだコントローラーに対応しておらず、Bluetoothタイプのコントローラーだと反応してくれません。Type-Cで優先接続するGameSir X2sは「このボタンを押したとき、画面上のここをタッチしたとみなす」というキーマッピングに対応しているため、コントローラー非対応のAndroid版原神も操作することができるのです。

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専用アプリをインストールし、そこから原神を起動すればすぐに遊べる手軽さは、本機の大きな魅力と言えるでしょう。もちろん自分好みの割り当てを作ることもできますが、複雑な設定をしたくない人にもうってつけ。

独立したスクショボタンでシャッターチャンスを逃がさない

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GameSir X2sはボタン類が非常に豊富ですが、そのうちの一つに「スクショボタン」が用意されているのも嬉しく感じました。原神は本当に魅力的な描画で作られていて、操作中はもちろんムービー中など「写真に残しておきたい!」と思う美麗なシーンが多々あります。そんな時、ボタン1押しでスクショを残すことができるのは地味ながらありがたいです。

GameSir X2sを使ってみてちょっと気になった点

GameSir X2sを使って原神をプレイする中で「これはちょっとな」と感じた点もご紹介します。他製品と使い比べたわけではありませんが、少なくとも初めてのスマホコントローラーとして本機に多少不満があったことも事実。ネガティブな側面も確認しておきましょう。

イヤホンジャック非搭載

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GameSir X2sは、接続したままスマホを充電できるパススルーには対応しているものの、イヤホンジャックは省かれてしまっています。そのためゲームの没入感という面ではやや物足りない印象を受けました。ワイヤレスイヤホンを使用する手はありますが、遅延や充電管理等、また別の問題があります。原神はBGMが壮大かつ声優さんの演技も熱いので、本体スピーカーでプレイするにはあまりにもったいないと感じます。

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参考までに、パススルー充電用の端子がType-CだったのでType-C to 3.5mm変換ケーブルを差してみましたが、当然ながら音声は出力されませんでした。あくまで充電用端子です。

LB(L1)・RB(R1)ボタンの操作音が大きめ

LB(L1)・RB(R1)ボタンがカチカチするタイプになっていて、操作音がやや気になりました。ABXYボタンや十字キーは「ポコポコ」という優しい押し心地になっているのに、この2ボタンだけ音が大きく安っぽさを感じる作りなのは少々残念なところ。静かな場所で使う場合は気になるかもしれません。

参考までに、スマホ用音量測定アプリを使って計測してみたところ、通常時約30db→クリック時約60dbという結果でした。同アプリによれば60dbは「Conversation(会話)」程度とされており、それなりに大きい音であることがわかります。

入力の取りこぼしが少なからずある

ある程度想定はしていたものの、入力の取りこぼしはやはり少なからず発生します。本機を原神でしか使用していないため細かい確認はできていませんが、特に2つのボタンを同時に押すコンボ入力時に顕著な印象です。2~3度同じ入力を繰り返さないと反応しないことが結構ありました。この点は、よく使う操作にコンボ入力を使用しない等、割り当ての調整である程度対応可能です。

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また、GameSir X2sで原神をプレイする際の推奨設定となっている「ハードウェアマッピング(G-Touch)」は、キー入力と画面タッチが共存できない仕様となっています。そのため、コントローラー操作時に画面をタッチすると、コントローラーの方の操作が強制解除に。私はこれによって入力を取りこぼしてしまうことが多かったです。

Android版原神がまだコントローラーに対応していないことが最大の要因ではありますが、完璧な操作感を求める方には苦しいかもしれません。しかし個人的には、対戦要素等がほぼなくそこまで繊細な操作が要求されない原神において、あまり不都合を感じないというのが正直なところ。

コントローラーだけでは操作を完結できない

当然と言えば当然ですが、コントローラー非対応のAndroid版原神をGameSir X2sの操作だけで完結することできず、必要に応じて画面タッチも併用する必要があります。スマホ操作用のUIを仮想的にコントローラーで動かしているだけであり、完全に最適化されているわけではないからです。2ボタンのコンボ割り当てをすべて使っても全操作をコントローラーで行うことは難しく、そもそもあまり複雑にしすぎると割り当てを覚えるのに苦労してしまいゲームを楽しめません。

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攻撃やダッシュ等、主要な操作はコントローラーでできるようにし、急ぐ必要がない操作などは画面タッチで分担する、といった使い方が求められる点には注意が必要です。画像を見てもらうとわかる通り、私は戦闘に関係のない祈願(ガチャ)画面を開くボタンには何も割り当てず、タッチで対応するようにしています。

画面上に表示される操作割り当てが没入感を妨げる

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専用アプリでゲームを立ち上げると、設定した操作割り当てが画面上に常時表示されるようになっています。画像上で一番分かりやすいのは操作パッドのところでしょうか。入力を間違えないようにするという点ではありがたいのですが、せっかくの綺麗なゲーム画面にかぶってしまうのはやや残念なところ。

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ただ、これは専用アプリからではなく普通にゲームアイコンをタップして立ち上げることで一応解消できます。コントローラーをつないでからゲームを起動すれば、画面上には割り当てが表示されないもののしっかりと操作は可能。どのボタンでどの操作ができるのかをある程度覚えたら、この方法でプレイするといいでしょう。

ケースを付けた状態のスマホはほぼ取付不可

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接続用のType-C端子の上下にクッション材が備えられていることもあり、保護ケースの厚みがあると最後までさし込むことができません。私は基本スマホの裸運用を好むのでそこまで問題ではないのですが、普段ケースを着用している人の場合、ゲームの度に毎回ケースを外すことになるためこの点は注意です。

高価なAndroidゲーム機を買わなくても「これで十分」と思えるGameSir X2s

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昨今はAYANEO社の「AYANEO Pocket S」等を筆頭に、高性能なAndroidゲーム機が多数登場してきています。しかし、あくまで私個人の感想ではあるものの、コントローラーに対応していない原神に関して言えば「GameSir X2sがあれば十分遊べるな」という印象。結局どんなAndroidゲーム機でも原神をプレイするためには現状キーマッピングが欠かせないので、だったら価格的にもGameSir X2sを買った方がお得かなと感じた次第です。

イヤホンジャックなし・LRクリック音大きめといった多少の欠点はあるものの、サクッと原神を楽しみたいスマホゲーマーさんにはとてもおすすめできる一台だと思います。「マッピングが面倒そう…」という人も、有志の方が作成した原神用プロファイルが公開されているので、それをダウンロードして自分好みに調整していけばOK。Galaxy Z Fold3用のプロファイルは私も公開しておきました。

価格はAmazonの公式ストアにて6,499円(2024年6月26日時点)。中古ならメルカリ等を使って4,000~5,000円程度で購入することもできます。スマホコントローラー選びに難儀している方は、ぜひGameSir X2sも候補に入れてみてください。

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