Light Phone III、設計検証試験(DVT)が終了しデザインほぼ確定。純正カメラアプリの起動映像など情報盛りだくさん

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米Light社は来年初頭に発売予定の「Light Phone III」について、設計検証試験(DVT)が無事に終了したことを公式ブログおよびメールマガジンにて公表しました。

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引用:Light社公式ブログ

公開されているスケジュール表によれば、DVTは8月~9月にかけて行われる計画になっていました。実際にDVT用の生産及び試験は、9月末時点で遅滞なく完了しているとのことです。今のところは目立ったトラブルもなく順調といったところ。

DVT(設計検証試験)……製品が設計仕様通りであるか、機能・性能は問題ないか等を検証する開発プロセスのこと。

今回のDVTでLight Phone IIIはだいぶ製品版に近づく形となり、特に筐体側(ハード側)はほぼ確定されたといってもいい模様です。

Light Phone III設計検証試験(DVT)完了に伴い公開された情報7点

以前よりも公開された情報が盛りだくさんだったので、個人的に重要度が高いと判断した順番で一つ一つご紹介していきます。

ボタン類のデザイン・構造が確定

まず第一に取り上げたいのがボタン類のデザインについて。本体側面に配置されているメニューキー、物理シャッターキー、音量キー、電源ボタンのデザインがいよいよ定まったようです。見た目の形状はもちろん、押し心地についてもベンダーと試作を繰り返しながらようやくたどり着いた形とのこと。

まずメニューキー(中央)と音量キー(上下)。見た目的にはEVT時点とそう大差がないように感じます。中央が少しくぼんでいて押しやすそう。

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続いて電源ボタン。生体認証として指紋認証にしっかり対応しています。向かって左にはノイズキャンセリングマイクを搭載。

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EVT終了時の情報公開で「まだ調整中」としていたホイール部分のデザインも決定。側面と面一ではない、やや盛り上がったバンパーが設けられていることで、ホイール部分の強固さを担保したと謳います。

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確定したのはデザイン部分だけではありません。押し心地に影響するクリック機構についても改良が重ねられ、構造が決まってきた様子。

本体右側面に位置するボタンのうち、ひときわ大きい「メニューボタン」。ボタン自体に長さがあるため、押す箇所によって反応しなくなってしまう等の懸念も。Light社は、同箇所に3つのピンを実装することで、中央であろうと端であろうと、どこを押しても均等に反応するように設計したとしています。

Light Phone IIIの個人的期待ポイントである「2段階シャッターボタン」も、EVTから内部機構の見直しが図られたようです。具体的には、2つのゴム片を使用する方法→スプリングを用いる方法へと変化。これにより、2段階の押し心地がより分かりやすくなったとしています。2段階機構は「半押しが明確か」「シャッターが暴発しないか」の2点が重要だと思っているので、ここにさらに手が加えられたのは嬉しい限り。

カメラツール(プロトタイプ)を起動している動画が公開

カメラのハード部分の改良に合わせて、ソフト面の開発が進んでいることも明らかになりました。具体的には、専用カメラアプリを起動・動作させているビデオが公開。シャッターを押しているところはほぼ映っていないものの、UIから露出を調整する様子・写真→動画へと切り替える様子等が確認できています。

まだまだプロトタイプではあるものの、標準カメラアプリには以下の機能(ボタン)が備えられているようです。

  • カメラ設定(詳細不明)
  • フォトアルバム
  • カメラモードの変更(写真/ビデオ/セルフィーなど)
  • フラッシュ設定
  • 露出設定

動画24秒当たりからは、本体側面のホイール部分を操作することで画面の明るさを調整している様子も見て取れます。タッチ操作と違い直感的に操作できるので、天気のいい屋外での撮影等でも快適そう。なお物理シャッターボタン半押しによるオートフォーカス機能は、現時点ではまだ開発中とのことです。

また、写真の比率は正方形に近い1:1.333、動画は一般的なスマホと同様の16:9になるようでした。

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左:写真比率、右:動画比率

撮影した写真類の管理については、USB-C接続でPCへ直接画像を転送する方法で試験を行なっているということです。SDカードはサポートしていませんが、写真を外部へ持ち出す方法がしっかり用意されているのはありがたい限り。撮影した写真・動画の閲覧や共有等が可能なアルバムアプリの準備も進められているほか、他サードパーティライブラリと同期する可能性についても探っていくとしています。

個人的要望としては、ホイール部分に露出調整やら何やらの機能を任意で割り当てられると、よりカメラ的で直感的な操作ができそうで楽しそうだなと感じました。また画像処理部分も、動画からわかる限りだいぶ青みの強い寒色系になっているように感じたので、もう少し暖かく余裕のある画になるよう、今後の調整に期待したいところです。

OLEDスクリーンの色味調整。ベゼルとの調和性向上

先代Light Phone IIとは打って変わり、電子ペーパーではなくマットなOLEDスクリーンを採用した本機。EVTの段階ではやや青みがかるという問題が確認されていたのに対し、DVTにて調整が入ったようです。ベゼル部分のマットガラスとシームレスに調和させることができたとしています。

公開された動画を見てみると、なるほど確かにスピーカー以外の前面がすべてスクリーンであるかのような一体感を感じます。さすがに光が当たるとスクリーン部分がはっきりわかりますが、デザイン面・操作面の両方で優れた構造になっていそうです。

電子ペーパーを不採用としつつも、Light Phoneならではのミニマルかつシンプルな白黒インターフェースがしっかり維持されている点は、Light社のこだわりが感じられて好印象。

軽量&独自デザインのType-Cケーブル公開

昨今は付属品を省略するスマートフォンも数多く存在していますが、ことLight Phone IIIに関しては、独自デザインのType Cケーブルが付属してくるようです。公開された映像では、端子カバー部に「Light」のロゴが入った、ほぼ最終デザインに近いプロトタイプを確認することができます。

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図面によれば、ケーブルは全長約1m、直径約3.3mmという形状。「Fabric」の文字も読み取れることから、ケーブル部の素材は布製のようで曲げにも強そう。おしゃれな純正アイテムが付属してくれるのは大歓迎です。

ブートアニメーション(プロトタイプ)公開

Light Phone IIIを起動したときのアニメーション(ブートアニメーション)も公開されています。同社のバリューでもある「GO LIGHT」の文字が表示されているのみのシンプルなもの。

こちらはまだプロトタイプで、動作確認のために試験的に導入したもののようです。「最終的な起動アニメーションではない」としているため、これから変わることも十分考えられるでしょう。

SIMトレイ完成。本体側面と面一

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SIMカードを入れるトレイの形状も確定した様子。本体側面のフレーム部分と面一(ツライチ)に仕上がったとしています。また写真には写っていませんが、本体に収納されている部分も統一感のある黒色の塗装になっているとのこと。

バッテリーカバーのフィット感・平坦性改善

Light Phone IIIの特徴の一つに「ユーザーが簡単にバッテリーを交換できる」というものがあります。しかし、癖のある素材特性を持つリサイクルプラスチックを利用していることもあり、前回のEVT時点ではこのバッテリーカバーのフィット感がいまいちだったよう。今回のDVTで調整が行われたことで、フィット感や背面の平坦性が改善されたとしています。

そう頻繁に開閉する部分ではないにしても、いざバッテリーを交換するときに嵌まりがいまいちなのはスマートではありません。スムーズな作業が可能になるのはありがたい限り。

生産検証テスト (PVT)~量産に向けて最終調整のLight Phone III。499ドルの第2ロットが手に入るのは12月2日まで

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Light Phone IIIはこの後、11月のPVT(生産検証テスト)、12月の量産に向けて引き続き調整が行われていきます。以下は、公式に掲載されている次のステップを抜粋したものです。

  • アンテナの色合わせ
  • 規制テスト (FCC、CE、PTCRB他)
  • キャリア認証
  • 量産に向けた資材準備
  • ソフトウェア開発(カメラ、アルバム他)
  • アクセサリー類の開発(液晶フィルム、ケース他)
  • パッケージデザイン etc…

etc…

このうち「キャリア認証」を特に不安視しているようで、今後スケジュールへ影響を及ぼすリスクが一番高い行程だとしています。先代Light Phone IIとは違い全国に向けて展開する機種ということもあり、認証を受けるべきキャリアの数も比にならないのでしょう。なお、日本のキャリアはau・ドコモ・ソフトバンクの3社に対応する予定です。

このまま順調に進めば、来年1月には初期ロットが出荷開始。手元に届くまでいよいよ2か月ほどとなりました。現在も予約注文は受付中で、第2ロットにはなるものの799ドル(12万3321円)→499ドル(7万7018円)と300ドルOFFで購入可能。12月2日以降は599ドルへと値上げしてしまうので、気になる方は今のうちにぜひチェックしてみてください。

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