「タダ電」約1年間使用レビュー。電気使用量・電気代全公開。お得だがご家庭を選ぶサービスであることは確か

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「電気代が0円になる」という、にわかには信じがたい売り文句で提供されている新電力「タダ電」。私も興味があったので思い切って乗り換えを行い、約1年ほど利用し続けてきました。

結論としては、確かに0円にはなるもののかなりご家庭を選ぶサービスであると感じます。契約を検討している方へ向けて、実際の電気使用量・電気代を公開しながら、利用してどうだったかをレビューしていきます。

そもそも「タダ電」とは

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引用:タダ電公式サイト

「タダ電」は、2023年5月末に提供が始まったばかりの、比較的日の浅い新電力です。運営元の情報は以下の通り。資源エネルギー庁にもしっかりと登録されているので、決して怪しい会社・サービスではありません。

会社名株式会社エスエナジー
設立年月日2020年7月17日
登録番号A0529
コーポレートサイトhttps://s-energy.biz/

一定の電気使用量までは料金が発生せず、他社では考えられなかった「電気代0円」を実現できるとして、リリース直後から大きな注目を集めました。

ただ、そうして利用者が急増した結果、短期間で複数回の改悪が図られてしまったのが実情。リリース当初は月1万円(約154kWh相当)まで無料でしたが、2025年1月現在では月5000円(約71kWh相当)と、半額にまでなってしまっています。

無料金額目安電力量電力量単価
2023年5月~2023年9月1万円約154kWh65円/kWh
2023年9月~2024年1月6500円約100kWh65円/kWh
2024年1月~5000円約71kWh70円/kWh

そのほかにも、2024年1月までは不要だった基本料金280円が設けられる等、初期と比べると大幅にお得度が低下していることは事実。ご家庭の電気使用状況をよく鑑みたうえで検討すべきサービスと言えるでしょう。

なお、現時点ではスマホアプリからのみ契約することができます。iOS、Androidともに対応可能です。

タダ電契約後、マイページより紹介コード「tadaden-81SRew7t」を入力いただくと、ひと月当たりの無料金額が100円分(約1.3kWh)プラスされます。1年間適用されますので、ぜひご活用ください。

タダ電を利用した1年間の電気代を公開

私がタダ電を契約したのは、1回目の改悪が行われた直後の2023年11月。そこから2025年1月現在まで、1年超の期間利用し続けてきました。実際使ってみてどのくらいの電気代が発生したのか、本当に0円で使うことはできたのか、アプリのスクリーンショットを掲載しつつすべて公開していきます。

  • 2023年11月
年月その月の電気代電気使用量無料分(おおよそ)
2023年11月1467円98.99kWh6500円
(基本6500円、紹介0円)
2023年12月0円97.02kWh8100円
(基本6500円、紹介1600円)
2024年1月0円77.97kWh8100円
(基本6500円、紹介1600円)
2024年2月0円86.14kWh8100円
(基本6500円、紹介1600円)
2024年3月0円79.93kWh8100円
(基本6500円、紹介1600円)
2024年4月0円68.06kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年5月0円69.70kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年6月0円79.74kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年7月0円89.79kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年8月0円82.34kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年9月520円90.06kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年10月0円86.59kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年11月0円81.16kWh6600円
(基本5000円、紹介1600円)
2024年12月1615円86.97kWh5000円
(基本5000円、紹介0円)

この1年間で支払った電気代の総額は「3602円」です。電気代が発生したのは2023年11月、2024年9月、2024年12月の3か月のみで、その他10か月は0円で運用することができました。ただしこれは友達紹介キャンペーンによる無料額増加を駆使したことによるもので、もしそれがなければもっと電気代が発生していたと思われます。

タダ電はアプリ上で時間帯毎の電気使用量が確認できるので、どんな家電がどの程度の電気を消費しているのかある程度目星をつけることが可能。これにより、タダ電を契約してからは節電に意欲的になった気がしています。電気を食いやすい家電の使用時間をなるべく減らしたり、大きめの待機電力を見直したりと、いろいろと行動することができました。

ちなみに、我が家の1日当たりの電気使用量は平均2~3kWhでした。比較的過ごしやすい春先(4~5月)であれば、5000円の無料分でも乗り切れそうです。

タダ電を1年間利用して感じたデメリット・注意点

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電気代を0円にできる現状唯一の電力会社という大きなアドバンテージがある一方で、タダ電には少なくとも以下3つのデメリットおよび注意点があると感じています。

  • 電気使用量が月71kWhを超えるご家庭では0円にならない
  • 無料分を超えた場合の電力料金はかなり割高
  • 今後さらなる改悪が行われる可能性も十分ある

まず何より注意いただきたいのは、誰でも0円で使えるサービスではないということ。「タダ電」という名前に釣られて考えなしに契約してしまうと、1kWhあたり70円というかなり割高な電力料金が設定されていることもあり、むしろ大幅に電気代が増加してしまう可能性が高いでしょう。

もう一点、タダ電はリリースされた2023年5月からわずか1年足らず(およそ9か月)で2回の改悪が行われている点も見過ごせないところ。公式によれば、アプリ内での広告配信、無料分以上使う方々への電気小売等で運営しているとのことですが、なかなか難しいビジネスモデルであることは容易に想像できます。2024年1月以降、約1年間は何事もなく運営が続いていますが、今後さらなる改悪が行われたり、最悪サービスが停止する可能性すらゼロではない点には十分留意する必要がありそうです。

タダ電はどんな人におすすめできる新電力なのか

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メリットデメリットを踏まえつつ、実際に1年以上利用してきた経験から、タダ電がおすすめできるご家庭の主な特徴を以下にまとめました。

  • 月々の電気使用量が71~90kWh程度
  • 周囲にタダ電を紹介できる人が複数いる(親族、SNSのフォロワー等)
  • 電力会社の比較検討・乗り換えが得意(もし改悪しても落ち着いて行動できる)

まず、月の電力使用量が少なめのご家庭であれば、タダ電を検討する価値が十分にあるでしょう。具体的には71~90kWh程度。無料にならないと損してしまうと思ってしまいがちですが、90kWhくらいまでであれば電気代が発生したとしても他社と同程度かそれ以下になります。一度現在の検針票等を確認し、月どれくらいの電気を使っているのか確かめてみるといいですね。

また先述の通り、タダ電には友達紹介サービスがあり、1人紹介する毎に月々の無料金額が100円分(約1.3kWh)増加します。これを上手く活用することで0円運用のハードルが大きく下がることから、タダ電を紹介できる知り合いが多くいる方にもおすすめ。かくいう私も、フォロワー300人程度のX(旧Twitter)アカウントで紹介したところ、少なくとも十数人の方に紹介コードを利用いただくことができています。親族はもちろん、普段からSNSを活用している人は十分チャンスがあるはず。

タダ電契約後、マイページより紹介コード「tadaden-81SRew7t」を入力いただくと、ひと月当たりの無料金額が100円分(約1.3kWh)プラスされます。1年間適用されますので、ぜひご活用ください。

タダ電は他社と比較して実際お得なのか

無料分に収まる人は良いとして、月71kWhを微妙に超えそうだというご家庭では「他社と比較して本当にお得なのか…」と気になることと思います。私自身2024年12月からは本格的に請求が始まり、乗り換えるべきなのか迷っていたので、ここでいくつかの他社と比較してみました。

比較対象は、現時点で特に安く抑えられそうと目をつけている「Japan電力」と「オクトパスエナジー」の2社。各社の詳細は割愛しますが、数ある新電力の中でも単価が安く評価も高め。それぞれの電力量料金単価は以下の通りです。

タダ電Japan電力オクトパスエナジー
(シンプルオクトパス)
オクトパスエナジー
(グリーンオクトパス)
基本料金1契約あたり280円0円0円12.14円/日(10A)
電力量料金70円/kWh~400kWh:27円/kWh
401kWh~:26円/kWh
32.10円/kWh~120kWh:17.80円/kWh
121~300kWh:23.60円/kWh
301kWh~:27.44円/kWh
燃料費調整額非公開?
7.43円/kWh
7.1円/kWh
※2025年1月
0円4.24円/kWh
※2025年1月
再エネ賦課金額各社共通のため省略各社共通のため省略各社共通のため省略各社共通のため省略

※東北エリアの場合

タダ電のみ燃料費調整額を公表していないという点はややマイナスポイント……。ここでは仮に東北電力の単価と同じとしておきます。30A契約で月90kWhほど電気を使用した場合、各社の料金は以下のようになりました。

再エネ賦課金額は経済産業省によって決められており、各社共通で電気代に差が生じないため、この計算では考慮していません。

  • タダ電
    280円+(90-71)kWh(70円+7.43円)=1751円
  • Japan電力
    0円+90kWh(27円+7.1円)=3069円
  • オクトパスエナジー:シンプルオクトパス
    0円+90kWh(32.10円+0円)=2889円
  • オクトパスエナジー:グリーンオクトパス
    12.14円×3+90kWh(17.80円+4.24円)=2020円

※小数点以下は切り捨て

この通り、大手電力会社の高めの燃料費調整額単価で計算したとしても、90kWh程度であればタダ電がまだまだお得であることが分かります。先の結論としても出した通り、月々の電気使用量が~90kWh程度なのであれば、現時点ではタダ電で様子見としても良さそうです。

一方で、気になるのはオクトパスエナジーの「グリーンオクトパス」プラン。他社と比較したときの燃料調整費額単価が群を抜いて安い点が魅力です。よくある3段階料金を採用していることもあり、電気使用量が少ない場合(120kWhまで)は17.80円/kWhと安価なので、タダ電ともそこまで差が開きませんでした。オクトパスエナジーは実績も豊富なので、タダ電の今後の動きが心配な方は一考の余地ありといったところでしょうか。

参考:オクトパスエナジー

月々の電気使用量が少ない方は「タダ電」にすることで得するかも

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タダ電を使って感じたメリットは、絶対に避けられないと思っていた「電気代」という概念を覆してくれたこと。支払が0円になり、引き落としが発生しなかった月は、本当に信じられない気持ちでした。度重なる改悪で今後がやや心配なサービスではありますが、もしお得になりそうと感じた方は、今のうちに「電気代タダ」を体験してみていただければと思います。ご家庭の電気使用量をよく鑑みて、慎重にご検討ください。

タダ電契約後、マイページより紹介コード「tadaden-81SRew7t」を入力いただくと、ひと月当たりの無料金額が100円分(約1.3kWh)プラスされます。1年間適用されますので、ぜひご活用ください。

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